重症度が高く長期入院の方が多いため、より細かな配慮が必要とされる事から、私たち栄養科は患者様の身体状態、病気の状態のみならず、嗜好や生活リズムも「一人ひとり違う」という認識をもち、それらに応じた栄養を提供する『個別管理』『個別対応』を重視し業務に努めています。
患者様、ご家族様の声をよく聴き、『心とからだを元気にする栄養』の提供を目指していきたいと考えています。
栄養科の業務内容は大きく3つにわけられ、医療事故防止、業務資質の向上、責任の明確化、作業の効率化などを目的とし、下記の要領で業務分担をしています。
業務分担はされていますが、病院職員、委託職員が同じフロアで仕事を行っており随時患者様の情報を共有し、専門性の高いサービスを提供出来る様に努めています。
(NST専門療法士、日本糖尿病療養指導士)
栄養士…2名、調理師…6名、調理員…4名
業務マニュアル
体力が低下している高齢の患者様にとって、栄養状態の変化に伴う適切な対応をいち早く行う事は大変重要な事です。
また当院は、外来栄養指導や特定保健指導(メタボリックシンドローム)等も行っている事から、栄養科ではそれぞれの業務を円滑に遂行するため『業務マニュアル』を作成しています。
マニュアルを基本に患者様を個別化し栄養管理・栄養指導・給食管理を行っています。
当院は多職種がそれぞれの知識と知恵を出し合って患者様の治療を行う『チーム医療』を重視しています。当院で行う栄養管理もチーム医療の一つです。
①外来栄養指導
栄養指導とは医師の指示の下、『病気の治療に必要な食事療法』の提案をさせていただくものです。どの様な食事をどのくらい食べたら良いか?食べ方や調理法の工夫は?運動は1日どのくらい必要か?適正体重はどのくらいか?などを、血液データと問診とご家庭で食べている食事量を参考にしながらスライドとオリジナルの資料を使い指導させていただきます。
指導は下記の要領で進めて行きますが、個人の病態等により変わる事もあります。
②人間ドック栄養相談 検査終了後、事前に記載頂いたご自宅での食事内容をコンピュータにより算出した情報と血液データを基に、食事のお話をさせて頂きます。毎年検診を受けて頂いている患者様には、経年的に変動を確認しながらお話をさせていただきます。
③特定保健指導
特定保健指導とは、病気になる一歩手前の方に対し、今から生活習慣を改善する事で病気に進展させないという目的で作られた『予防のための指導』です。
当院は「動機づけ支援」「積極的支援」のレベル別にスケジュールを組んでおり、特定保健指導を受けて頂いた方全員に、『血管年齢の測定』を行っています。これは血管の狭窄度や硬化度をご本人が確認し、生活習慣改善のための意識づけをする事を目的としています。
特定保健指導をご希望される場合は予約制となっておりますので、当院までご連絡をお願いします。(※但しご希望の方が多い時は予約を断らせて頂く事もあります。)
当院の給食は医師の指示の下、病院管理栄養士の指示、指導により給食委託会社(株式会社ブライアンブルー)から提供されています。
現在1食あたりの食数は、食事27名、経管栄養100名程度です。
9階(最上階)に調理場が位置している事から、虫などの混入や湿気、カビなどの発生が抑えられ、衛生的に調理作業を行う事が出来るため、患者様には安全な食事を提供出来ています。
食事
食事については特別治療食の他、個々の嗜好に配慮した内容、そしゃく、嚥下能力に応じた内容で提供しています。
また月1回『お誕生食』、祝日などの『行事食』も提供しています。
当院の食事形態レベルは『日本摂食嚥下リハビリ学会嚥下調整食分類2013』に準じた内容となっており、他病院等から転院の際はスムーズに食事提供が出来る様になっています。また、そしゃく、嚥下機能が低下してきた患者様や経管栄養、輸液を施行しながら摂食訓練を行う患者様、訓練ではなくおたのしみ程度で口から食べたいという患者様などのための食事も用意しています。
経管栄養 経管栄養については、患者様個々に指示されている栄養剤と白湯(水)を栄養科で調合、計量し提供しています。 経管栄養剤は食事量が低下してきた食事摂取の患者様にも提供する事があるため、味や飲みやすさの確認のため、随時栄養科職員による試食会を行っています。
患者様、その他、栄養に関するご相談などもお受けします。 (栄養科長)