当院は医療療養病床を有する療養型病院であり、高齢者を中心に長期的な医療の必要度が高い患者様が多く入院されています。
薬物療法においても高齢者の特性に配慮することが求められます。たとえば、高齢者は複数の疾患を抱えていることが多く、多くの科からの処方により飲む薬の量も多くなりがちで、飲みあわせや重複が起こってないか、減らせる薬は無いかなど、気を配る必要があります。また、高齢者は腎機能の低下に伴うため、薬も健康な成人とは異なる投与量を考えないといけないこともあります。
このような急性期とは異なる薬物療法が求められる療養型病院においても、薬剤師に求められる職能は大きいと言えます。
薬剤科では、採用薬の選定から薬の調達、調剤にとどまらず、病棟での患者様および家族への服薬指導から、様々な職種とともにチーム医療である感染対策チームやNST(栄養サポートチーム)などにも積極的に参加しており、「薬に関わることは、薬の専門家である薬剤師が」「薬剤師でしかできないことを実践する」を理念にトータルに関わるよう努めています。 教育、研修活動では、自らの研修会への参加のみならず、院内勉強会の運営や講師としても携わっています。また、学会発表や外部講演を通して外部の方々にも日々の業務から得られた成果を発信しています。このような取り組みを通して、患者様に安心・安全で最適な薬物療法を提供できるよう日々研鑽しております。 当ページでは、私たちの取り組みの一端をご紹介いたします。
薬物療法においても高齢者の特性に配慮することが求められます。たとえば、高齢者は複数の疾患を抱えていることが多く、多くの科からの処方により飲む薬の量も多くなりがちで、飲みあわせや重複が起こってないか、減らせる薬は無いかなど、気を配る必要があります。また、高齢者は腎機能の低下に伴うため、薬も健康な成人とは異なる投与量を考えないといけないこともあります。
このような急性期とは異なる薬物療法が求められる療養型病院においても、薬剤師に求められる職能は大きいと言えます。
薬剤科では、採用薬の選定から薬の調達、調剤にとどまらず、病棟での患者様および家族への服薬指導から、様々な職種とともにチーム医療である感染対策チームやNST(栄養サポートチーム)などにも積極的に参加しており、「薬に関わることは、薬の専門家である薬剤師が」「薬剤師でしかできないことを実践する」を理念にトータルに関わるよう努めています。 教育、研修活動では、自らの研修会への参加のみならず、院内勉強会の運営や講師としても携わっています。また、学会発表や外部講演を通して外部の方々にも日々の業務から得られた成果を発信しています。このような取り組みを通して、患者様に安心・安全で最適な薬物療法を提供できるよう日々研鑽しております。 当ページでは、私たちの取り組みの一端をご紹介いたします。
●薬剤師数:3名 薬剤助手:1名
●日本薬剤師研修センター 認定薬剤師:2名
●日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師:2名
●日本病院薬剤師会 生涯研修履修認定薬剤師(5年間連続認定):2名
●日本薬剤師会生涯学習システムJPALS CLレベル6:1名
●日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師:1名
●日本病院薬剤師会 感染制御認定薬剤師:1名
●日本静脈経腸栄養学会 NST専門薬剤師:1名
●日本糖尿病療養指導士:1名
●日本褥瘡学会 認定褥瘡薬剤師 :1名
●薬剤管理指導
●退院時薬剤情報管理指導料
●薬剤総合評価調整加算
(2022年12月26日更新)
主に約150名の入院患者様の調剤業務を行っています。 Microsoft ACCESSを用いた薬局業務システムを独自に構築し、内服や外用および注射薬も含め、すべての処方データを薬剤科で一元管理しております。これにより、調剤時に薬の飲みあわせのチェックも行うことができ、不明な点や問題点があれば主治医や看護師に問い合わせを行い、安全な調剤が行えるよう努めています。また、院内で使われる帳票類の自動作成や統計データの集計も可能となり、業務の効率化を図っています。
認知機能の低下などから薬を自己管理できる患者様は少なく、入院患者様の薬の多くは病棟での管理となっているため、薬局でも定期処方の一包化(1回分ごとに薬を袋に入れる)を行っていますが、自動分包機の採用により、作業の効率化や調剤ミスの防止を試みています。もちろん、全ての調剤は2名以上の薬剤師が鑑査によりダブルチェックを行い、病棟でもチェックの手順を徹底しているなど、薬に関するミスを最小限に防ぐことを常に考えております。
認知機能の低下などから薬を自己管理できる患者様は少なく、入院患者様の薬の多くは病棟での管理となっているため、薬局でも定期処方の一包化(1回分ごとに薬を袋に入れる)を行っていますが、自動分包機の採用により、作業の効率化や調剤ミスの防止を試みています。もちろん、全ての調剤は2名以上の薬剤師が鑑査によりダブルチェックを行い、病棟でもチェックの手順を徹底しているなど、薬に関するミスを最小限に防ぐことを常に考えております。
薬局内での調剤業務だけでなく、薬剤師が病棟に赴き、患者様やご家族と直接お話しながら、処方された薬がしっかり効いているかどうか、副作用が起こってないかを確認しています。認知症や脳の病気などで自ら訴えの言えない患者様については、ご家族からもお話を伺い、 現在投与されている薬の内容や変更点などを説明させていただいたり、薬に関する疑問点に答えたりと、薬物療法においても「安心」をご家族に提供できるよう努めております。
病棟で得られた情報は医師や看護師など他のスタッフにも伝え、薬剤師の立場から処方変更の提案を行ったり、最適な薬物療法が行えるよう情報の共有を行っています。
入院時に持ち込まれる持参薬の鑑別、患者様やご家族から情報の収集を行い、スムーズに院内処方への切り替えが行えるよう、患者様が入院する時から薬剤師も関わっています。
入院時に持ち込まれる持参薬の鑑別、患者様やご家族から情報の収集を行い、スムーズに院内処方への切り替えが行えるよう、患者様が入院する時から薬剤師も関わっています。
院内で使われる薬剤は過去の使用データを参考にしたり、現在の患者使用状況を把握しながら、不足や過剰が起こらないよう発注を行っています。
また、薬の保管方法や期限切れにも注意を払い、薬局だけでなく、病棟で保管されている薬に関しても、薬剤師が定期的に保管状態を管理しています。毒薬や向精神薬、麻薬など法的に規制のある医薬品についても、薬剤師が専門知識を生かして管理しております。
また、薬の保管方法や期限切れにも注意を払い、薬局だけでなく、病棟で保管されている薬に関しても、薬剤師が定期的に保管状態を管理しています。毒薬や向精神薬、麻薬など法的に規制のある医薬品についても、薬剤師が専門知識を生かして管理しております。
医療費削減の観点からも、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の活用も積極的に行っています。薬剤師の視点から、価格だけでなく、飲みやすさや使いやすさ、先発品との同等性や安全性の面からも慎重に医薬品の選定を行っております。
医薬品情報室では薬に関する様々な情報を収集し、まとめております。医薬品安全性情報や日々更新される医薬品の添付文書変更情報は、院内の医薬品適正使用に必要な情報をまとめて、院内各部署に伝達しています。
また、病棟から医師や看護師の問い合わせに答え、適切に薬剤が使われるよう支援しています。病棟からの問い合わせと返答内容はデータベース化し、他の場面でも活用できるように管理しています。
また、病棟から医師や看護師の問い合わせに答え、適切に薬剤が使われるよう支援しています。病棟からの問い合わせと返答内容はデータベース化し、他の場面でも活用できるように管理しています。
医薬品の安全使用のための業務手順書の作成・更新や、医薬品で副作用が起こった時の対応についても随時検討を行っています。
●栄養サポートチーム(NST)
栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)では、適切な栄養管理を行うために院内で働く専門職種それぞれが知識や技術を出し合い、患者様を栄養面からトータルにサポートしています。
薬剤師も栄養輸液の管理や、薬剤の相互作用および投与法(簡易懸濁法など)において専門知識が求められます。
薬剤師も栄養輸液の管理や、薬剤の相互作用および投与法(簡易懸濁法など)において専門知識が求められます。
現在、NST会議の前にNST専門療法士の資格を持つ薬剤師と管理栄養士の2職種が事前ラウンドを行い、ベットサイドで患者様の状態の確認や問題点の把握を行う取り組みを行い、NSTの充実に貢献しています。このようにNSTにおいても薬剤師は重要な役割を果たしています。
●褥瘡対策チーム
寝たきりの状態になる患者様においては、褥瘡(床ずれ)の発生にも注意しなくてはなりません。 褥瘡の発生の予防や治療において、各職種が知恵や技術を出し合うことが求められます。
当院には褥瘡認定師の資格を持つ薬剤師が在籍しており、薬剤師も実際の創を確認しながら、治療に使う軟膏や被覆材の選択において処方提案を行います。
褥瘡対策会議では褥瘡の写真を見ながら、治癒状況の経過や今後の治療計画を検討しており、 経時的なデータの管理は薬剤師が行っています。
当院には褥瘡認定師の資格を持つ薬剤師が在籍しており、薬剤師も実際の創を確認しながら、治療に使う軟膏や被覆材の選択において処方提案を行います。
褥瘡対策会議では褥瘡の写真を見ながら、治癒状況の経過や今後の治療計画を検討しており、 経時的なデータの管理は薬剤師が行っています。
●感染制御チーム(ICT)
当院では、感染対策向上加算3を算定しており、感染制御担当の医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床工学技士、事務職員が感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)を組織し、毎週の院内ラウンドやミーティングの実施や、感染症の発生や蔓延を予防すべく活動を行っています。また、定期的に連携する市内の医療機関と合同で感染対策に関するミーティングを行い、問題点の共有や相談を行っております。
薬剤科においても感染制御認定薬剤師の資格を持つ薬剤師が抗菌薬や消毒薬の適正使用などで貢献しています。抗菌薬が適切に使用されるよう、抗菌薬の使用量の集計、使用状況の把握、広域抗菌薬の届出制の実施、バンコマイシンの血中濃度の解析などを行っています。
薬剤科においても感染制御認定薬剤師の資格を持つ薬剤師が抗菌薬や消毒薬の適正使用などで貢献しています。抗菌薬が適切に使用されるよう、抗菌薬の使用量の集計、使用状況の把握、広域抗菌薬の届出制の実施、バンコマイシンの血中濃度の解析などを行っています。
●医療安全対策委員会
薬に関するインシデントや事故は患者様に重い不利益をもたらす可能性があります。薬局での調剤のミスの防止や対策のみならず、院内で起こる薬に関するインシデントや事故への対応策についても薬剤師の役割が求められます。
手順やシステムの改善、マニュアル作りなど他の職種と連携して取り組みを検討しています。院内の研修会においても、医薬品安全使用のための研修で講師やコーディネーターを務めています。
手順やシステムの改善、マニュアル作りなど他の職種と連携して取り組みを検討しています。院内の研修会においても、医薬品安全使用のための研修で講師やコーディネーターを務めています。
6年制薬科大学の薬学部生の薬学実務実習の受け入れも行っています。平成28年度より、釧路赤十字病院と釧路孝仁会記念病院とのグループ実習という形で、1週間の実習を行っています。
急性期の病院だけでなく、慢性期の病院も学生さんに見て体験してもらうことで、地域医療における薬剤師の役割について理解を深めてもらってます。また、当院のような小回りの利く中小病院において、薬局内実習から病棟実習のみならず、薬事、NST、医療安全、感染対策・褥瘡対策など各種会議にも参加してもらい、薬剤師業務全般を俯瞰的に学ぶことが出来るよう機会を提供しています。調剤だけでなく、処方解析の時間を多く取り、病棟や指導薬剤師とのディスカッションを通して、大学で学んだ知識と臨床が結びつくよう、「頭を使って考えてもらう」実習に重点を置いたコースにしています。他に栄養科見学などのオプション的な実習も好評です。
急性期の病院だけでなく、慢性期の病院も学生さんに見て体験してもらうことで、地域医療における薬剤師の役割について理解を深めてもらってます。また、当院のような小回りの利く中小病院において、薬局内実習から病棟実習のみならず、薬事、NST、医療安全、感染対策・褥瘡対策など各種会議にも参加してもらい、薬剤師業務全般を俯瞰的に学ぶことが出来るよう機会を提供しています。調剤だけでなく、処方解析の時間を多く取り、病棟や指導薬剤師とのディスカッションを通して、大学で学んだ知識と臨床が結びつくよう、「頭を使って考えてもらう」実習に重点を置いたコースにしています。他に栄養科見学などのオプション的な実習も好評です。
●受け入れ実績 (いずれも1週間のグループ実習として)
第Ⅰ期 |
第Ⅱ期 |
第Ⅲ期 |
第Ⅳ期 |
|
2019年度 |
- |
2 |
2 |
1 |
2018年度 |
2 |
2 |
1 |
- |
2017年度 |
0 |
2 |
1 |
- |
2016年度 |
0 |
3 |
1 |
- |
●業務実績(いずれも月平均数)
薬剤管理指導件数 |
入院処方箋数 |
入院注射箋数 |
|
2021年度 |
71.8 |
828 |
231 |
2020年度 |
66.8 |
942 |
159 |
2019年度 |
72.5 |
906 |
228 |
2018年度 |
80.1 |
1029 |
345 |
2017年度 |
80.0 |
984 |
327 |
2016年度 |
77.4 |
1056 |
357 |
2015年度 |
78.0 |
717 |
222 |
2014年度 |
78.1 |
1128 |
225 |
2013年度 |
69.9 |
987 |
213 |
2012年度 |
59.4 |
1041 |
117 |
●医薬品採用数
医薬品採用数 |
後発品率 (数量ベース) |
|
2022年度 |
366 |
97.5% |
2021年度 |
365 |
99.1% |
2018年度 |
366 |
95.6% |
2018年度 |
350 |
97.8% |
2018年度 |
350 |
97.5% |
2017年度 |
343 |
93.9% (計算方法変更) |
2016年度 |
340 |
69.2% |
2015年度 |
340 |
67.3% |
2014年度 |
342 |
|
2013年度 |
353 |
|
2012年度 |
336 |
研修会や勉強会への積極的な参加を推奨し、知識や技術の研鑽に努めています。
受け身の勉強だけでなく、日々の業務の取り組みを院外にも伝えるべく、学会発表にも積極的に取り組んでおります。
以下のリンクに過去の学会発表の実績を挙げましたのでご参照ください。
受け身の勉強だけでなく、日々の業務の取り組みを院外にも伝えるべく、学会発表にも積極的に取り組んでおります。
以下のリンクに過去の学会発表の実績を挙げましたのでご参照ください。
(2022年12月27日更新)
規模は小さめの病院ですが、薬に関する院内業務を幅広くやらせていただいていおり、やりがいを感じられる環境です。小回りが利き、他部署との横のつながりも良いのが強みです。まだマンパワーが十分ではないため、病棟での活動時間が少ない現状ですが、医療安全や患者満足のため薬剤師しかできない業務を拡大していきたいです。(薬剤科長)